評論『エド・ウッド サイテー監督の世界』を第27回文学フリマ東京にて発売します
お久しぶりです。安藤です。
ようやく先日、評論『エド・ウッド サイテー監督の世界』を脱稿いたしました。もっとも、お試し印刷で、これから調整しなければならないんだけれども。
前回に引き続き、史上最低の映画監督エド・ウッドが題材です。
彼の説明はこちらをご確認ください。
前回は創作の中で彼を題材にしましたが、よく考えた結果、もっと彼について記さねばならないことがたくさんあるだろうということになり、二回続けて同じ題材はどうかなと思ったけれども、チャレンジしました。
前回初めて出店した時の課題点を一個ずつぶっ潰し、先行研究にはない資料や視点を盛り込んで、判断は皆様にお任せいたしますが、我々としてはベストな一冊を上梓させていただきました(こういう言い方、怖いね)
この史上最低の映画監督、名前のわりに書籍が案外少ないのです。
・『映画秘宝 エド・ウッドとサイテー映画の世界』(洋泉社、1995年)
・ルドルフ・グレイ(著)、稲葉紀子(訳)『エド・ウッド 史上最低の映画監督』(早川書房、1995年)
・映画の本の本〈2〉 | 重政 隆文 (2002年)
・興行師たちの映画史 エクスプロイテーション・フィルム全史 | 柳下 毅一郎(2003年)の一部
このくらいしかないのです。もう16年以上も前の本です。他にもあるかも知れませんが、見つけることができなかったり、絶版喰らっていたりで、読むことができなかった。
そもそも、エド・ウッド単体の評論って殆どないんですよね、ほとんど。大体が映画の評論の一説に書いてあったりするので、本のタイトルだけではわからないのです。
特に『映画の本の本』なんて、図書館をいくつもはしごして、近所の大学の隅っこにあったのを見つけたのはうれしかった。資料集めが一番大変でした、ホント。
なので、自分たちで作ってしまいました、専門の本。
無いんだったらつくっちめえ。
地方住まいなので、こういう時の資料集めは本当に大変です。ネットで買いたくても買えないし、何分低予算サークルなので、予算が……。売り子のボスが上京するので、神田の古本屋を回ってもらおうかしら。
本書では、従来のエド・ウッドのイメージとは少し異なる印象を受けるかもしれませんし、彼のゴミ映画が、ただのゴミ映画ではなかったことも私たちは本書で主張しています。
彼の映画は、LGBT映画でも、マカロニ映画でも、ゾンビ・SF映画でも、ポルノ映画でも、何らかの先駆的な意味を持っていました。何らかの点で彼の映画は革新的なものがあったのです。そしてすべての作品にエピソードがあり、ただのゴミ映画として、鑑賞するにはあまりにももったいない。
なので、買うんだ、みるんだ、レンタルしよう!とにかくエド・ウッドの作品に金を使うんだ!そうすれば配給会社が儲かるものと判断して、日本未公開の彼の作品がもっと増えるかもしれないんだ!今すぐゲオに行こう!